浦安魚市場の閉場についてまとめ
2019年3月31日に閉場
浦安魚市場は2019年3月31日に65年の歴史に幕を下ろし閉場します。ここでは閉場に至る経緯、移転する店舗の情報、そして跡地を取得した野村不動産が新しく展開する商業施設を見ていきましょう。
閉場までの経緯
浦安自慢の魚市場
浦安魚市場が現在の場所で市場を開いたのが昭和46年(1971)の事でした。築地に近く漁師町の浦安魚市場は、鮮度や味には確かなもので多くの人々で賑わいました。2年前に開業した営団地下鉄東西線浦安駅からも近い事も手伝って、遠方からも訪れる浦安を代表する名所になっていました。
昭和50年(1975)に吉野物産【※ワイズマート】、昭和54年(1979)西友ストアー【※西友】などスーパーマーケットが相次いでオープンするも、当時は棲み分けのようなものがあり、やはり魚は魚市場が一番という時代でした。
環境の変化と様々な問題
しかし、流通業界の進化は目覚ましく、スーパーの魚も魚市場に引けを取らない鮮度も当たり前になっていきました。魚以外にも取り揃えているスーパーマーケットは買い物する上での利便性は高く、段々とお客は離れていく印象でした。
2011年3月に起きた東日本大震災は、築40年以上の耐震基準を満たしていない魚市場に選択肢を迫ることになりました。耐震基準を満たすよう建て直すか、閉場するか厳しい判断を迫られる魚市場はもう一つの問題がありました。それは後継者不足です。
今の場所にオープンして48年目、このぐらいの年月は世代交代とリンクします。十代後半でこの仕事を始めた人がちょうど定年を迎えている頃で跡継ぎへの継承の時期と重なります。もちろん、若い世代に繋いでいる店舗もありますが、週末がメインな市場でこの先やっていけるかといえば不透明といえるでしょう。
苦渋の決断
2018年10月17日に臨時議会を開いた浦安魚市場は2019年3月31日をもって閉場すると公式に発表しました。時代の流れといえばそれまでなのですが、やはり浦安魚市場で働く大勢の方々がいます。すべての人が納得する決断ではなく、閉場という苦渋の選択はとても重いことだったのは想像つきます。
野村不動産が取得
食がメインのグルメタワー
建設通信新聞によると浦安魚市場の跡地を取得したのは野村不動産です。野村不動産と聞くと新浦安などにあるプラウドなど高級マンションを思い浮かべると思いますが、浦安魚市場の跡にはGEMSという商業施設が建つのではないかと推測されています。
GEMSは東京都内や大阪、名古屋に展開している商業施設で建物すべてが飲食店で構成されているグルメタワーです。都内のGEMSを見ると敷地は狭く、他にはマンションなども併設されるのではないでしょうか?
浦安魚市場の移転は?
魚市場の移転はなし
浦安魚市場の関係者からは移転はないという話を伺いました。一部の店舗は移転や本店に営業を移すということですが、すべての店舗が営業を続けることは難しくなりそうです。移転などは浦安魚市場公式ページに随時更新されていますので確認してください。
一つの時代の終わり
失って気づく大切な場所
平成という時代とともに浦安魚市場は閉場します。漁師町だった頃の浦安は遠い記憶になってしまいました。漁師の息子として育った管理人は、浦安魚市場はあって当然という感じでしたが、なくなるという事実は受け入れるのに時間がかかりそうです。
浦安魚市場は、浦安の台所としての食文化、浦安の漁師町としての歴史、浦安の名所としての観光などなどになってきた重要な場所です。当サイトにも昔浦安に住んでいた方から多くのメッセージをいただきました。そこにはほとんどがびっくりした、寂しい、残念というメッセージばかりです。浦安魚市場は失ってから改めて気づくそんな場所なのではないでしょうか。
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浦安について、『これが知りたかったんだ』と言っていただけるような存在になれれば幸いです。