水害との戦い(猫実の由来)
猫実という地名の意外な由来
『猫実』この地名はなんと読むでしょう? この地名を知らない人は多分、ネコミ、ネコノミなどと読むと思います。答えは『ネコザネ』。 猫に由来する地名なのかと思われますが、実際は鎌倉時代(1293年)に起きた大津波と大きな関係があります。
(ここで注意が必要ですが、歴史文献などには浦安は多くの津波に襲われたと書かれていますが、東日本大震災時に東北を襲った津波のことでなく、高潮の事を指していると思われます。)
鎌倉時代、大規模な高潮が浦安を襲い全土が大きな被害を受け、中には全滅する集落がありました。それでも、被害を受けた地域住民たちは災害に負けてはならぬと立ち上がり、豊受神社付近に堅固な堤防を築いてそこに松を植えました。いかなる波もこの松の根を越させないと願いをこめて。
以来、この地を水害時に松の根をこさせない、『根越さね』と呼び、後に『猫実』と呼ばれるようになりました。
浦安は歴史は水害の歴史と言っても過言ではない
水害は浦安の宿命
浦安は太古から水害に悩まされてきました。三方を海に囲まれ大きな川の河口に位置する浦安は水害は宿命なのかもしれません。
浦安は水害のため古い歴史が存在していません。神社などが建立された書物などさえ流されてしまいました。集落1つが消えてしまうことさえ珍しくなく、他の地域への集団移転などしょっちゅうでした。(旧江戸川の対岸にあった当代島や堀江の飛び地はこれによるもの)
また、農業も毎年のように起こる水害のため発達すること無く細々と行われていました。
念願のスーパー堤防
キティ台風の被害が街を動かした
昭和22年カスリーン台風、昭和24年キティ台風。大きな台風が立て続けに浦安を襲いました。特にキティ台風はそのかわいい名前とは裏腹に壊滅的な破壊を浦安もたらしてしまいます。 浦安町費の10倍の損害を出してしまったこの台風を期にスーパー堤防建設が急務となっていきました。
国からの援助を受け巨額な費用で堤防が完成したのは3年後、昭和27年の事です。念願の堤防完成後は浦安では目立った水害が起こらなくなって今日を迎えています。
■キティ台風
1949年8月27日に発生した台風8号を指します。(現在のレベルで言うとカテゴリー3という大きさの台風)日本全国で死者135名・行方不明者25名・家屋の全壊17203戸・家屋の床上床下浸水144060戸の大きな被害が出てしまった台風で、浦安も被害は甚大でした。隣町の行徳塩田はこの台風で廃業に追い込まれています。
⇒キティ台風について更に詳しい説明は『キティ台風襲来』をご覧ください。
老朽化が目立つスーパー堤防
60年経つ堤防は街を守れるのか?
キティ台風がきっかけで造られたスーパー堤防が完成して60年以上が経とうとしています。当時はコンクリートで頑強に作られましたがやはり老朽化が目立ってきている状態です。
そこで浦安市では数年前から旧江戸川沿いを中心に堤防の補修工事を行っているようです。(2011年に起きた東日本大震災による影響で、数日後境川西水門周辺では崩落が発見され補修が行われまています。)
この『浦安の歴史』を特集したページは、浦安市の公式のホームページではございません。多くの文献や資料、浦安郷土博物館内の展示物や資料、代々続く漁師の家系(管理人)の親戚の証言など総合的に作り上げたホームページです。